衣かつぎ きぬかつぎ 精進百撰より
皿は、本では、黒地に白んだうわぐすりが細かく下地をざらりと見せている丸い小皿で、角さんの味わい深い作品。本の写真では、水上勉の料理が脇役。ジャンルは違うがお弟子さんの陶器は世に出た。
水上勉は貧しい生まれから、全集が出るまでの作家となった。
最近の小説家の作品にはない気品が孤高としているような気がする。
そして、多くが美しい映画となっている。
その大家は心筋梗塞でも奇跡的に助かり、軽井沢から少し西に別荘を移し、畑作の中、晩節に執筆した。
その一冊は、若い頃に夢中になり読んだ水上勉とは別なジャンルの本は、また魅せられる。
水上勉でなくては書けないレシピ集から学ばんとし、ひとつ作ろうと、掘りたての里芋を蒸して見た。
きぬかつぎ、と言うらしい。
芋の皮からつるりと食べるとある。
頭か尻が切ってあるのがミソのようだが、どちらを切るか本にはかいてない。
水上勉の禅問答にはまったようだ。
塩をつけるとあるが、味噌で食べた。
つるりと、べた、つけにくい。
やはり、塩が良かったようだ。