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柴犬のいる田舎暮らし

大根葉のきんぴら 精進百撰21番 水上勉 

この季節、寒さがすすむ。

畑では、霜にあらがい、大根が空に向いて静かに伸びていく。

水上勉の精進百撰の21番に大根葉のきんぴらがある。

私も以前から似たような料理を作り、惣菜、つまみにしていた。切り干し大根や、干し椎茸、鷹の爪、味醂など、色々入れうま味を出して楽しんで、大根葉を無駄なく利用していた。

今回は、精進百撰にならい、水上勉流に徹して作った。


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水気を絞り、フライパンを振って、湯気をとばし、焦げる手前までいって、できました。


味見。

まいりました。
醤油と酒だけですが、色々入れるより、上手いのです。

さすが、一言一句、選んで、それでいてさらりと読みやすい文章を書く大作家の言い切るように、みりんは要らない、とあるが、実際、要らない。まさに料理の実存哲学であり、その選眼力、決断力は、文章のみならず、味も見極めておられていた。

本にあるように、ごまをいって、ひとつまみかけた。ニトリの安物の鉄のスキレット鍋は、ごまをいるのに役にたった。

蕪の辛み 飛騨蕪と野沢菜

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飛騨蕪は大きくなる。
同じ5穴マルチにまいても他の赤蕪とは大きさが違う。上の写真は、これでも中位。

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飛騨蕪の甘酢漬けは意外と辛い。
御飯によく合う。
今まで認識不足。

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野沢菜蕪も大きい。

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野沢菜漬けも辛い。
わさびは入れてないがわさび風味と辛さ。

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これも甘酢漬けに。
しかし、辛くはない。
美味しい、シャキシャキした蕪の甘酢漬け。

衣かつぎ きぬかつぎ 精進百撰より

水上勉の勘六山作品の料理本から里芋料理を頂いた。

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皿は、本では、黒地に白んだうわぐすりが細かく下地をざらりと見せている丸い小皿で、角さんの味わい深い作品。本の写真では、水上勉の料理が脇役。ジャンルは違うがお弟子さんの陶器は世に出た。

水上勉は貧しい生まれから、全集が出るまでの作家となった。
最近の小説家の作品にはない気品が孤高としているような気がする。
そして、多くが美しい映画となっている。

その大家は心筋梗塞でも奇跡的に助かり、軽井沢から少し西に別荘を移し、畑作の中、晩節に執筆した。

その一冊は、若い頃に夢中になり読んだ水上勉とは別なジャンルの本は、また魅せられる。

水上勉でなくては書けないレシピ集から学ばんとし、ひとつ作ろうと、掘りたての里芋を蒸して見た。

きぬかつぎ、と言うらしい。

芋の皮からつるりと食べるとある。
頭か尻が切ってあるのがミソのようだが、どちらを切るか本にはかいてない。

水上勉の禅問答にはまったようだ。

塩をつけるとあるが、味噌で食べた。
つるりと、べた、つけにくい。

やはり、塩が良かったようだ。