大根葉のきんぴら 精進百撰21番 水上勉
この季節、寒さがすすむ。
畑では、霜にあらがい、大根が空に向いて静かに伸びていく。
私も以前から似たような料理を作り、惣菜、つまみにしていた。切り干し大根や、干し椎茸、鷹の爪、味醂など、色々入れうま味を出して楽しんで、大根葉を無駄なく利用していた。
今回は、精進百撰にならい、水上勉流に徹して作った。
水気を絞り、フライパンを振って、湯気をとばし、焦げる手前までいって、できました。
味見。
まいりました。
醤油と酒だけですが、色々入れるより、上手いのです。
さすが、一言一句、選んで、それでいてさらりと読みやすい文章を書く大作家の言い切るように、みりんは要らない、とあるが、実際、要らない。まさに料理の実存哲学であり、その選眼力、決断力は、文章のみならず、味も見極めておられていた。